明治恵庭工場におけるユーティリティサービスと管理業務省力化の実証について ~省エネ・省力化・レジリエンス向上の取り組み~
東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社
東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社(社長:小西 康弘、以下「TGES」)は、株式会社 明治(社長:松田 克也、以下「明治」)恵庭工場*1(北海道恵庭市、以下「恵庭工場」)において、2022年5月より工場におけるエネルギーやユーティリティを供給すると共に、省エネ・省力化・レジリエンス向上を支援するユーティリティサービス*2事業(以下「本事業」)を行っています。TGESは、このたび、恵庭工場で、東京ガス株式会社(社長:笹山 晋一、以下「東京ガス」)とユーティリティ設備の五感による点検業務*3を、デジタル技術で代替するシステムの実証試験を行い、点検工数の削減効果を確認しました。今後、サービス化に向けて検討を進めます。
■恵庭工場におけるユーティリティサービス事業について
TGESがガスコージェネレーションシステム(以下、「CGS」)や太陽光発電設備、ボイラ、コンプレッサ等からなるユーティリティ設備のシステム設計、施工を行い、本工場内に設置。工場内に運転員が常駐し、設備のオペレーション、日常管理、メンテナンスまで一括して担い、電力、蒸気、温水等のユーティリティを供給しています。
本事業においては、TGES独自のエネルギーマネジメントシステム「ヘリオネットアドバンス*4」を用いて、太陽光発電による発電量や工場のエネルギー利用状況に合わせてCGSを自動制御することで、CO2排出量削減を図ります。また、CGSは停電時も発電可能な仕様*5となっており、自立運転することで停電中も電気と熱を継続して供給することが可能で、恵庭工場のレジリエンス向上に寄与します。
【システムフロー図】



■設備管理業務の省力化と設備の五感点検の代替実証について
恵庭工場では、設備管理業務の省力化に向けた取り組みを進めています。中央監視システムやタブレットを活用した遠隔監視、現場点検帳票類の電子化、AIによる予兆監視などを導入し、業務の効率化を図っています。さらに、設備の管理基準や点検項目の見直しと日常点検の自動化を推進することで、管理業務の大幅な削減を実現しました。五感点検が必要な項目については、中央監視システムにセンサやカメラ等で収集した画像やデータを解析し一元管理する機能を実証導入。サーモグラフィやカメラ画像の解析や、設備の電流、振動等の複合解析をすることで異常検知する自動監視を実証いたしました。一連の取り組みによって、帳票類作成工数の約30%、日常点検工数の約70%の削減効果を確認いたしました*6。


TGESは「IGNITURE」の下で提供するソリューションを通じて、法人のお客さまのサステナブルかつスマートな事業運営の実現を目指しています。今後も、事業を通じて培ったノウハウを活用し、脱炭素・最適化・レジリエンスに資する各種ソリューションの提供を行い、社会の持続的な発展に貢献していきます。
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東京ガスとTGESは、「ソリューションの本格展開」に向けソリューション事業ブランド「IGNITURE」を立ち上げました。「IGNITURE」の下で展開するソリューションにより、ご家庭、法人、地域・コミュニティのお客さまが、「最適化による経済性・利便性・効率性向上などでさらに豊かな未来」と、「脱炭素・レジリエンスの向上などでサステナブルな生活・事業」を無理なく両立できます。
※IGNITUREの詳細はこちら
*1: 2022年7月に生産を開始。北海道恵庭市にある明治の牛乳工場。生産品目:牛乳
*2:
事業者が設備を所有、メンテナンス、運用までワンストップで行い、利用者は初期投資不要でユーティリティサービス利用料を対価として支払うサービス。
恵庭工場での事業は、TGESが北海道において、設備の日常管理まで請け負う初めてのユーティリティサービス事業。
*3: 視覚、嗅覚などの五感を活用して、設備やプロセスの状態を確認する点検方法。
*4: 電力・熱の需要を予測し、CGSや熱源機等のエネルギー設備の高効率な運転計画を立案して遠隔自動制御を行う、東京ガスグループ独自のエネルギーマネジメントシステム。
*5: 停電状態で発電機を自立起動させ運転を再開するブラックアウトスタート仕様。
*6: 省力化取り組みの取組前・取組後について、対象月を定め設備管理業務の工数を一か月記録し検証したもの。
以上