太陽光やバイオマスといった再生可能エネルギーをはじめ、水素・e-メタンなどガスのカーボンニュートラル化にも取り組みを広げ、脱炭素社会を支える新しいエネルギーの安定供給と事業性の両立をサポートします。
再生可能エネルギーの取り組み
太陽光発電
日本国内の再生可能エネルギーのうち、最も普及している太陽光発電。地域との共生、事業性向上のためには、開発計画はもちろん、維持管理においても高度なエンジニアリングが必要とされます。
太陽光発電の事例
市貝太陽光発電所
- 設計支援
- 建設管理支援
- 維持管理
栃木県芳賀郡市貝町のゴルフ場跡地にて、東京ガスの国内初自社開発案件である出力約22MW太陽光発電所の設計支援・建設管理支援業務を受託、2023年7月に商業運転を開始しました。発電所の維持管理はグループ会社であるA&Tm株式会社が受託。
アクティナ(Aktina)太陽光発電所
- 設計支援
- 建設管理支援
- 維持管理支援
米国テキサス州における太陽光発電所の設計支援・建設管理支援を受託、2023年12月に商業運転を開始しました。本事業の最大出力は630MWで、米国最大級の太陽光発電所となります。日系企業単独での海外案件であり、法対応・施工品質・安全管理などの米国特有の課題に対処しつつ、完工までの技術支援および完工後の維持管理支援を実施しています。
国内のみならず、海外の太陽光発電事業においても豊富な設計・施工ノウハウを保有したエンジニアが事業者のニーズに寄り添いながら開発を支援します。設置環境に適した、発電効率を高める設計・施工方法をご提案、現場で起こり得るトラブル・品質不良を未然に防ぎ、適切に管理することで高い事業性を維持します。
バイオマス発電
再生可能エネルギーの中では、天候に左右されず安定した電力供給が可能なバイオマス発電。長期にわたり安定した稼働を維持するためには、適切なエンジニアリングはもちろん、ノウハウを駆使した運転管理が求められます。
バイオマス発電の事例
市原八幡埠頭バイオマス発電所
- 設計支援
- 建設管理支援
- 運転業務
- 維持管理
千葉県市原市にて、出力75MWのバイオマス発電所の設計支援・建設管理支援・運転業務・維持管理を受託、2024年9月に商業運転を開始しました。
仙台港バイオマスパワー発電所
- 設計支援
- 建設管理支援
- 運転業務
- 維持管理
宮城県仙台市にて、国内最大級の出力112MWのバイオマス発電所の設計支援・建設管理支援・運転業務・維持管理を受託、2025年10月に商業運転開始予定です。
豊富な運用ノウハウに裏付けられた事業者目線のエンジニアリングを設計・建設段階から提供します。発電所の立地環境に合わせて、不具合の迅速な解消を可能とする万全の保全体制を構築し、高稼働率の維持に貢献します。
地熱発電
地熱資源大国である日本において、今後さらなる普及が期待されている地熱発電。地熱特有の腐食性ガスやスケール付着に配慮する必要があるため、機械・電気・材料分野などの各分野における総合的なエンジニアリングが要求されます。
地熱発電の事例
わいた第2地熱発電所
- 設計
- 調達
- 建設
熊本県小国町にて、出力5MWの地熱発電所の発電設備および熱輸送設備の設計・調達・建設を受託、2026年3月に商業運転開始予定です。東京ガスグループとして初めて地熱発電開発に参画し、エンジニアリングを提供します。
地熱特有のノウハウを蓄積しつつ、地熱資源の特性に合わせた最適なエンジニアリングで地域に根ざした事業開発を目指します。地熱資源に恵まれた日本での普及拡大のため、EPC(設計・調達・建設)業務を通じて地熱市場の発展に貢献します。
系統用蓄電池
再エネの出力変動を安定化することで、さらなる再エネ普及を後押しする系統用蓄電池。品質を維持した上での適切なコストダウンや蓄電池を長期にわたって安全・安定稼働させるための、適切な運用管理とメンテナンスが必要になります。
系統用蓄電池の事例
大分県角子原蓄電所
- 建設管理
- 維持管理
大分県大分市にて、出力25MWの蓄電所の建設工事および20年間の設備維持におけるオーナー代行の管理業務を受託、2026年5月に商業運転開始予定です。東京ガスグループ初の系統用蓄電池事業をエンジニアリングで支援します。
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完成予想図
作成:千代田化工建設株式会社(Google Mapおよび国土地理院の地図データを使用)
TGESのエネルギーサービス事業における蓄電池納入・運用実績と、プラント建設・運営で培ったノウハウに基づくエンジニアリングを系統用蓄電池事業で提供します。今後普及拡大が見込まれる系統用蓄電池分野において、高品質を維持した適正なコスト提案や適切な運用管理により、長期にわたる蓄電池の安定稼働・事業性向上に貢献します。
ガスの脱炭素化の取り組み
水素活用・e-メタン
水素と二酸化炭素の合成で生成されるe-メタンはカーボンニュートラルの実現に向けて期待されているエネルギー。e-メタンは燃焼設備や導管などの既存設備が利用できる利点がある一方、大量生産や商業化を実現するための技術ノウハウやコストダウン、運用管理が必要になります。
水素活用・e-メタンの事例
東京ガスメタネーション施設
- 設計・設計支援
- 建設管理
東京ガス横浜テクノステーションにて、メタネーション装置およびその付帯設備の設計・設計支援、建設管理業務を受託しました。e-メタンの合成から消費までの一連の流れを確認するパイロットプラントとして運用を開始しています。
プラント建設・運営、実証運転を通じて蓄積したエンジニアリングノウハウをもとに、水電解装置やメタネーション装置に加え、ボイラやコージェネレーションシステムといったe-メタンの消費設備を含めたシステムの設計提案や建設管理を行います。メタネーション技術の発展をエンジニアリングで支え、環境負荷低減、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献します。
バイオガス精製
バイオガスは、下水汚泥やゴミ、家畜ふん尿などのバイオマスを原料とし、微生物の力(メタン発酵)により発生するガスであり、メタン約60%、CO2約40%で構成されています。このバイオガスから不純物・CO2を取り除き、メタン濃度を高めるものがバイオガス精製。ガス性状の把握・不純物除去方法を含めたガス精製方式の選択や適切なメンテナンスが重要です。
バイオガス精製の事例
鹿児島市南部清掃工場 バイオガス精製設備
- 開発支援
- 設計
- 調達
- 建設
鹿児島市南部清掃工場で発生するゴミ由来のバイオガスを精製する設備を2021年に納入しました。バイオガス精製設備は、除湿・不純物除去等含めたシステムで、ガス精製には膜分離を採用しています。バイオガスの発生から精製までの設備はクリーンガス証書制度における国内初の製造設備認定を取得されており、精製ガスは日本ガス株式会社様において都市ガス原料として利用されています。
バイオガス精製分野においても、エンジニアリングから運用まで万全の態勢を備えています。事業者のニーズに合ったガスの精製方式の選択、システムの設計・建設を行い、未利用のエネルギーを有効活用し、脱炭素化に大きく寄与しています。
再エネ設備のO&M
国の主力電源化に向けて普及が進む再生可能エネルギー。再エネ設備を長期にわたり安全・安定して運用するためには、再エネの種類ごとに異なる特性を把握した上で、適切な運用・保守管理(O&M)が必要です。
再エネ設備のO&Mの事例
A&Tm株式会社の設立
- 維持管理
東京センチュリー、東京ガスエンジニアリングソリューションズ、京セラコミュニケーションシステムの3社にて、太陽光発電設備のアセットマネジメント・O&Mを包括的に行うA&Tm株式会社を設立しました。各社の高い専門性を集結し、高度な分析に基づくバリューアップ提案、安全・適切な維持管理にて、発電事業者にとって収益最大化につながるアセットマネジメント・テクニカルマネジメントを提供します。
さまざまな再生可能エネルギー・脱炭素事業でのエンジニアリング、エネルギー関連施設の管理・運営で培った実績とノウハウをもとに、種類・立地環境に適したO&M体制の構築や発電性能を高める最適ソリューションの提供にて、設備の安全性・収益最大化に貢献します。