タイ王国初の都市型地域冷房の本格運用開始について
東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社
東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社(社長:小西 康弘、以下「TGES」)が、三井物産株式会社、Gulf Energy Development(ガルフエナジーデベロップメント)社*1と共同出資するBangkok Smart Energy(バンコクスマートエナジー)社は、TCCグループ※2によるバンコク中心街の大型複合都市開発One Bangkok※3の地域冷房事業および配電事業(以下「本事業」)を同グループと共同で立ち上げ※4、10月25日、One Bangkokの開業に合わせて本格運用を開始しました。
地域冷房は、街区内で必要な冷熱を、地域冷房センターでまとめて製造し、地域導管を通して供給することで、各ビルの冷房を行う方式です。需要の平準化による設備容量の最適化、機器の大型化に伴う高効率化を通して省エネルギー性・環境性を高めるほか、各ビルに冷熱製造設備や管理者等を配置する必要がなくなり、スペースの有効活用や省人化が可能となります。大規模かつ高密度な熱需要が発生する大規模都市開発において、環境性・経済性に大きく貢献するシステムです。
TGESは、供給開始から50年を超える新宿地域冷暖房センター*5をはじめ、国内18か所において地域冷暖房事業を行うほか、オンサイトエネルギーサービス※6にも20年以上にわたって取り組み、ガスコージェネレーションシステム等を用いて電気、熱などを供給しています。
本事業においては、TGESがこれらの豊富な事業経験を通じて培った長期に渡って最適に運用するノウハウをもとに、プラントの設計・建設および供給開始後30年間のオペレーションを行います。プラントにはEMS※7を導入し、翌日の天気予報や過去の需要データ等から施設ごとにパターンの異なる冷房負荷を高度に予測し、世界最高水準の高効率冷凍機と蓄熱システムからなる設備を最適運用して冷熱を製造・供給します。また、雨水等の再生水の積極活用等により、さらなる環境負荷の低減を図ります。One Bangkokは環境性能や持続性の向上を開発コンセプトに掲げており、本年2月の同国初となるLEED Neighborhood Development Platinum認証※8の取得にはTGESのソリューションが大きく貢献しました。
TGESは「IGNITURE※9」の下で提供するソリューションを通じて、法人のお客さまのサステナブルかつスマートな事業運営の実現を目指しています。今後も、国内外の事業を通じて培ったノウハウを活用し、脱炭素・最適化・レジリエンスに資する各種ソリューションの提供を通じて、タイのお客さまと地域の持続的な発展に貢献していきます。
※1: Gulf Energy Developmentは、タイ王国最大の民間発電会社
※2: TCCグループは、食品、飲料、消費財、不動産産業等を進めるタイ王国有数のコングロマリット
※3: TCC Assets(Thailand)Co.,Ltd.(ティーシーシーアセット)および Frasers Property Ltd.(フレイザーズプロパティ)が開発するバンコク最大の総合複合都市開発。バンコク中心部のルンピニ公園に隣接する敷地面積16.7haの敷地の中に、オフィス5棟、ホテル5棟、高級コンドミニアム3棟、商業施設および芸術文化施設等が作られる計画。都市型地域冷房が導入されるのは同国初
※4: 地域冷房事業を行うBangkok Smart DCS(バンコクスマートディーシーエス)社、および配電事業を行うBangkok Smart Power(バンコクスマートパワー)社を設立
※5: 都庁をはじめ新宿新都心の高層ビル群22施設に冷温熱を供給する国内最大級の地域冷暖房センター(1971年供給開始)
※6: エネルギーサービス事業者がエネルギーシステムを設計・設置、所有、メンテナンスまでワンストップで行い、利用者は初期投資不要でエネルギーサービス利用料を対価として支払うサービス。
※7: エネルギーマネージメントシステムエネルギー使用量を可視化し、負荷傾向を予測することで、最適運転制御を行うためのシステム
※8: 2024年2月取得。LEEDとは、米国グリーンビルディング協会(USGBC:US Green Building Council)が開発および運用を行っている、建物と敷地利用についての環境性能評価システムであり、One BangkokではNeighborhood Development(LEED-ND)部門の最高評価である、「Platinum」認証を取得
※9: IGNITUREの詳細はこちら
以上